昨年11月に、息子が発達障害と診断されたこと、デイサービス(児童発達支援事業)の利用を勧められたことについて投稿しました。↓こちら。
あれからデイサービス(※)探しや見学を徐々に進め、膨大な施設情報を目の前にして途方に暮れたりしつつも、どうにか「ここに通おう!」という施設に辿り着きました。
我が家でのデイサービス探しの流れを、備忘録として残したいと思います。
※発達に心配のある子どもと家族を支える療育専門事業の名称として、就学前の子どもが利用できるものを「児童発達支援事業」、小学生~高校生が利用できるものを「放課後等児童デイサービス」と呼びますが、この記事では「デイサービス」と書くことにします。(漢字が多いと堅苦しいので…)
◇目次
園から「専門機関への相談」をすすめられる
2022年3月(当時息子が年少の時)、保育園での個人懇談で先生に言われて初めて、「息子は発達に問題があるかもしれない」という意識をもつことになりました。
当時は家庭でも息子のマイペースさに常にイライラさせられ、毎日怒鳴り散らかす私。(下の子が授乳中でおっぱいトラブルや寝不足も多く、私自身のコンディションが整っていない時期でもありましたが…)
「4歳男児ってみんなこんなもん??」とネットで検索したり育児本を読んでみたり、ノートにアンガーログを書いて冷静に分析しようとしたものの毎日アンガーしているのでだんだん書くのが面倒になってしまい、いつかカッとなった瞬間に実の息子を手にかけてしまうのではないか…と本気で自分が怖くなることもありました。
園から発達検査を勧められた理由は大まかに言うと、
・息子はマイペースすぎて、集団行動するうえでも切り替えがなかなかできていない
・年中へ進級するにあたり担任数も減り、個別サポートをするのが難しくなってくる
・この先小学校へ進学した時のことも見据え、今からできる支援やかかわり方を模索したい
・そのために発達の専門家に相談し、その結果をフィードバックしてもらうことで保育との連携を図りたい
…という感じ。
自分の息子が発達に問題があるかも、という話にすぐピンとこなかったものの、日々の息子の扱いにくさに疲弊していたこともあり「このイライラ子育て生活が少しでもラクになるのなら、プロに相談してみるのもアリかもしれない…!」という思いで、発達の専門機関に問い合わせてみることにしました。
指定日時に鬼電!新患予約を勝ち取る
保育園からもらった市内で発達相談ができる機関のリストを見ながら、乳児の世話の合間を縫って、いくつかネットで検索してみました。
なんだかどこも予約が取りづらそう…。「新患予約受付は○月○日の○時~○時の間のみ電話で受け付けます」とハードル高め。
療育を利用しているという知り合いが数名いたのですが、「予約して1年待つところもある」「ちょっと遠いけど○○区(車で1時間弱かかる)のクリニックに行ってる」などという話も聞きました。ひぇぇ〜今の時代、発達界隈ってそんなに需要あるんだ…
しかしなるべく時間はかけたくない。どうにか最短で、なるべく通いやすい(理想は車で20~30分圏内の)立地にある機関を捕まえてみせる!うおお~
そして、ホームページ記載内容的にも療育方針がよさげで雰囲気もよさそうなとあるクリニックに狙いを定めました。次回の新患予約受付は、月末の平日の午前。
その日はたまたま夫が在宅勤務日だったので、当時まだ育休中だった私と共に、時間になったら一斉に各自のスマホから電話をかけました。通話中ならすぐ切り、またかけ直す。しばらく繰り返しました。あの繋がりにくさ、それだけライバル(と呼んでよいのだろうか…)がいたのだと察します。
すると夫のかけた方でついに繋がり、めでたくそのクリニックに一発で新患予約を入れることができたのです!私一人だったらこの日は予約が取れなかったかもしれない…
初診はヒアリング、2回目に検査本番
3月末に取り、初診察の予約日は5月でした。(こちらのクリニックは2ヶ月前予約が基本のようです)
初診の日は主にヒアリング。臨床心理士の方が担当してくれて、普段の様子などを話したり、たまに息子と会話のやりとりや、ブロックなどの数を数えさせたり、紙をはさみで切らせたりみたいなことをしては何かカルテ的なものを書いていました。
これが発達の検査とやらなのかな?とその時は思ったのですが、どうやらこの日のやりとりはまだ検査ではなく、次回が検査本番とのこと。
そして6月に改めて息子を連れていきました。
前と同じ臨床心理士の方が「今日はお母さんから離れて一人で来れるかな?」と息子単品を別室に連れて行きました。(息子は昔から人見知りが全くない子なので、この時も何の不安な様子もなく普通について行った)
そこから私は待合室で1時間弱は待ったと思います。スマホがなかったらまあまあしんどい待ち時間でした^^;
そしてようやく戻ってきた息子。「今日はこれで終わりです。検査の結果は来月出ますので、お母さまだけで結構ですのでまた来院してください」とのこと。
その日の帰り道、どんな検査をしたのか気になってしょうがなかった私は「ねえねえ、さっきあのおじさんと何やってたの?」と息子に聞いてみたのですが、「うーん、わかんない」「わすれちゃった」みたいな返事しかなく、一体どんな検査をしたのかまったく知ることができず…。(息子は普段から園での出来事とかもあんまり詳しく教えてくれない)
そして7月、予約した日に検査の結果を聞くため、私のみクリニックへ行きました。(ちなみにクリニックは平日しかやっていないので、基本的に仕事を休んで行く必要があります。うむむ。)
検査の結果に「すごい!」
結果を聞きに行った日に、ようやく先日どんな検査を行ったかの片鱗を知ることができました。
検査結果は書面による検査報告書ももらったのですが、
「田中ビネー知能検査Ⅴ」「グッドイナフ人物画知能検査」という2種類の検査を受けたとのことでした。(色々あるんだなぁ)
後で調べてみると、どうやら前者の「田中ビネー」の方がメインだったようです。100問以上の出題に答えていって、この分野は○歳級、あの分野は△歳級…と上限・下限を特定していくんだとか。今思えば、4歳児にはなかなか負担のかかる1時間弱だったんじゃないかと思います。
この知能検査によって「精神年齢」「知能指数(IQ)」が算出されるそうです。
また、後者の人物画による検査は数分で気楽にできる検査のようで、これはこれでIQを算出できるそうです。
検査報告書の結果欄には
・息子の基底年齢(※)、精神年齢、知能指数(IQ)
・どういった課題に対してこう答えた(通過できた・できなかった)という具体例
・そこから推察される、息子の得意なこと・苦手なこと
・息子の苦手とする場面ではこんな工夫が効果的/逆にこんなことは得意なので自信持たせていきましょう…といったアドバイス
※基底年齢…ある年齢までの問題に全問正解したところに+1歳加えたものを「基底年齢」と田中ビネー界では呼ぶそうです。息子の基底年齢は3歳だったので、3歳の問題は全問正解したけど4歳の問題は1つ以上不正解だったってことですね。
などが細かく文章でまとめられていました。
すごい。この報告書の結果を読んで、私も夫も「ああ~なるほど!」と妙に納得。
数の把握が得意で、実年齢以上の理解があること。考えていることをうまく言葉で説明するのが苦手なこと。見て記憶したり形を把握するのが苦手なこと。
当時すでに、答えが10を超える足し算を理解していた息子。数に関しては6歳級の理解力があると書かれていました。
日常生活の中で、「ねぇ、ちゃんと言葉で説明して??」と息子にイライラすることもよくありましたが、発達検査上どうやらそれは息子の苦手分野だった模様。
そういえば以前、神経衰弱のカードゲームをしたときにやたら同じカードを何度もめくっていたことがあったっけ。あれももしかして「記憶が苦手」ということだったのか…?
息子の特性が見事に言語化されていて、「なるほど、言われてみれば確かに」と思うことばかり。検査の待ち時間長かったな~と思っていたけど、むしろあのたった1時間程度でこんなに分析できちゃうんだスゲーーー!!!と感心。
ひとつだけ「聞いて理解する力は7歳級」という結果には意外。「聞いて理解はしている」けれど「言葉にするのが苦手」ゆえに、ねぇちょっとママの話聞いてる?わかってる??と苛立ってしまう場面が多々ある…とも考えられます。
今回の検査によって、息子への理解がぐっと深まったように思います。
発達の検査をする=ネガティブなイメージに思う方もいるかもしれませんが、親でも気づけなかったことが色々わかり理解が深まるし、子どもの特性を言語化されることで具体的にどう関わるとうまくいくかの解決の糸口も見えてきます。
決して「悪いところ探し」ということではなく、強み・弱みを知ることで本人も周囲の人間も生きやすい方法を見つけようぜ!…という認識です。
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ということで、発達の検査をすすめられてから実際に検査を受けるまでの流れを思い出しながらまとめました。この検査結果をふまえて、療育施設(デイサービス)をどう探したかについて、後日また投稿したいと思います!